○四人一首を楽しむための札の説明はこちら
★今回使う取り札は,次の十首となります。
41.恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

壬生忠見

42.契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは

清原元輔

43.逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり

権中納言敦忠

44.逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし

中納言朝忠

45.哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな

謙徳公

46.由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな

曽禰好忠

47.八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり

恵慶法師

48.風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな

源重之

49.みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ

大中臣能宣朝臣

50.君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

藤原義孝