○四人一首を楽しむための札の説明はこちら
★今回使う取り札は,次の十首となります。

91.きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
後京極摂政前太政大臣

92.わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし

二条院讃岐

93.世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも

鎌倉右大臣

94.み吉野の 山の秋風 さよ更けて ふるさと寒く 衣打つなり

参議雅経

95.おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖

前大僧正慈円

96.花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

入道前太政大臣

97.来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

権中納言定家

98.風そよぐ 楢の小川の 夕暮は 御禊ぞ夏の しるしなりける

従二位家隆

99.人も愛し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は

後鳥羽院

100.百敷や 古き軒端の しのぶにも なほ余りある 昔なりけり

順徳院