このページは令和2年3月29日に製作を始めました。
 世界中に新型コロナウィルスの脅威が蔓延する中,このページを作ることを決意しました。いつかこの困難を,みんなで力を合わせて乗り越えた時,今の苦しみや悲しみを過去のこととして思いだせるよう,今の状況や,率直な思いを記しておきます。
 令和2年2月26日,日本政府より,突如として全国の小中学校に,休校が要請されました。そして3月2日より,長い長い春休みが始まりました。
 私の勤務する宇都宮市立中央小学校も,休校となりました。子供たちは学校にたくさんの荷物を置いたまま,自宅学習の日々が始まりました。
 数日後から,何日かに分けて,子供たちはめいめい,荷物を取りに来ることになりました。
 私は来校した子供たちといろいろと会話し,その大多数が家の中でスマートフォンやゲームと長時間接する生活を送っていることを知りました。
 3月19日,中央小学校では卒業生とその保護者,教職員のみでの卒業式が,行われました。もちろん素晴らしい卒業式でした。しかし,在校生に見送られることもなく,校歌を歌うこともなく,祝賀会もない卒業式です。全世界がみんな我慢しているから…といってしまえばそれまでなのですが,私は正直,とてもかわいそうだと思いました。
 それからしばらくして,文部科学省より,4月から授業を再開するにあたってのガイドラインが示されました。
 音楽の授業では歌を歌わないこと,リコーダーや鍵盤ハーモニカの練習も,当面はひかえること,子供同士が向かい合う活動は行わないこと等が求められていました。
 そんな中で私は,これからの日本を,そして未来を背負って立つ子供たちに,何ができるか,何を残せるか,真剣に考えました。
 その時,毎週火曜日の朝,私の読み聞かせを楽しみに聴いてくれる子供たちのことを思い出しました。私は,読み聞かせをする時,いつも音声パソコンの音声をイヤフォンで聴きながら,かなりのオーバーアクションで子供たちに迫ります。
 普段どんなに落ち着かない子供も,悲しいことがあってしょんぼりしている子供も,つい笑い転げてしまうような場を目指し,試行錯誤してまいりました。
 でも,4月からは今までと同じような読み聞かせはできないかもしれないと考えるようになり,ふと寂しくなりました。
 そんな時,ふと思いついたのが,録音マイクに向かって読み聞かせたお話を,全世界からいつでも聞けるようにしよう!!というアイディアでした。
 しかし,今まで読み聞かせてきたお話を全世界に公開するためには,高い著作権料を支払わなければなりません。ですが私にはその手続きをする時間もお金もありません。
 そこで調べてみると,日本では1967年12月31日以前に亡くなった作家の作品は全て,パブリックドメインといって,著作権が消滅していることを知りました。
 海外の作品については,作者が没後70年を経過し,且つ翻訳者が1967年12月31日以前に亡くなっている,もしくは翻訳の著作権を放棄していれば,著作権は消滅していることが分かりました。
 そこで私は,インターネット上では,著作権がパブリックドメインに移行した往年の名作を朗読し,公開することとしました。
 是非,お時間がある時にお楽しみいただけますと幸いです。また,友人・知人等に,幅広く御紹介いただけますと幸いです。

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