令和5年8月24日 木曜日
 上阿古谷産の体が細っ濃くて大あごだけ立派だったオスが1頭★になりました。
もう1頭の平べったいオスと同じ飼育ケースで飼育していたのですが,どうやらそのうすっぺたい方が,エサのゼリーを独占していたらしい……。そのうすっぺたい方も,9日に確認した後,足の先の爪をまた一つ失ったらしいです。今年の猛暑が影響か……。
 今年は7月中旬に入手した肝川産のペアを,産卵セットに入れておいて,本日幼虫を掘り出していただきました。硬い産卵木に猛烈な勢いで食痕があったので,さぞかしたくさんの幼虫が出てくると思いきや……。
 出てきたのはたった2頭。でも2頭出てきたということは,ペアリングは成功しているということ。これを前向きに捉え,今度は割り出しの必要のない,菌床ブロックで産卵セットを組み,その中にメスを投入。さぁ,たくさん産んでくれ!


令和5年8月9日 水曜日
 何と!!今年初めての更新となりました。それにしても暑すぎる夏です。上阿古谷産の幼虫君たち,6月上旬にボトルの中のオガクズを出して確認した時は,全て幼虫で,前蛹にもなっていませんでした。
 そして7月上旬からの酷暑。屋外の風通しの良い日陰で管理していたのですが,暑すぎました。暑さで一気に蛹化して,羽化した感じでしょうか?ひどい羽化不全状態のものが2匹,成虫になった直後に天獄に旅立ったものが5匹。結局手元にいるのはオスの成虫2匹と,メスの成虫1匹です。しかも成虫になってからどう計算しても1か月前後と思われるのに,既に猛烈な勢いでゼリーにかぶりついていますこれまた暑さのせいか,オスの足の爪が取れてしまっています。
 オスの1匹は体が細っこくて,大あごだけは立派なので,とてもアンバランスです。もう一匹はうすっぺたくて,オオクワガタ独特の形ではあるものの,全然カッコよくない感じ。ん?うん?これって本当に日本のオオクワガタ
??って感じです。

11月22日 火曜日
 今年は結局上阿古谷産のオオクワガタの幼虫を10頭,8月下旬よりヒラタケキノコの菌床ボトルに入れて飼育しています。
 そして今日は,古い菌床ボトルから新しい菌床ボトルへ,幼虫を引っ越す作業をしました。
 10頭中2頭が★になり,8頭が生存していました。これは例年より生存率は高い感じです。例年はこの時点の生存率が6割りから7割り。初齢幼虫で取り出したら3齢幼虫までほぼ100%生存するカブトムシなんかに比べてずいぶんデリケートですがそんな感じです。
 ここから8頭のうち6頭が成虫になれば大成功!!という感じです。次は3月に新しいボトルへ引っ越して,7月頃に成虫……。そんな感じです。
 現時点で20グラム近い大型幼虫が2頭。このままのペースで行けば70粍後半くらいの大きさで羽化してきそうです。無事に成虫になることを願いつつ,飼育を継続します。



令和4年8月17日 水曜日
 今年はオオクワガタをブリーディングしない予定だったのですが……。いろいろとあって,岡山県のブリーダーさんより,上阿古谷産のオオクワガタを2ペア,送っていただきました。
 新しく赴任した清原東小学校の3年生の子供たちが,国産のカブトムシを飼育しており,夏休みには先生方が代わる代わる面倒を見て,休み明けまで元気に生きている目処が立ったことから,カブトムシとクワガタムシのちがいをきちんと知ってもらうのにはよい機会になるかなぁ……などと思いつつ,飼育を決断しました。
 こうしてまた今年も,「オオクワガタを卵から育てよう」のワークショップを開いてしまうのだろうか……。こうやって自分を忙しくしてしまうのは私の病気加茂しれません。やれやれです。

10月2日 土曜日
 『オオクワガタを卵から育てよう!!』のワークショップ,今年も開催したのですが,いやぁ見事に撃沈……。でした。
 福岡県久留米市産の親2頭のホダ木は全滅。岡山県津山市のホダ木からは初齢幼虫が2頭のみ。ほとほとまいってしまいました。
 今年の参加者は男子5名。6年生一人,5年生一人,3年生一人,2年生一人,1年生一人でした。全てお母さんと一緒に参加して,真剣にクワガタの幼虫を探していました。
 一昨年も不調というかかなり出て来ずに,再セットして11月末にリベンジして大量の幼虫をゲットしたのでしたが,今年は再セットするだけの時間的余裕がなく,どうしようかと。
 とりあえず今年は,親に使用したメス成虫を一人1頭ずつ連れ帰り,成虫の飼育を体験してもらうことにしました。
 ところで,昨年のワークショップで私が予備として預かった幼虫は,5頭生存していて,それを最後にほじくり返してみんなで観察しました。メスが2頭,成虫になっていました。オスは3頭,幼虫のままで,かなり黄色が強くなっているようなので,多分11月頃には蛹になるのではないかといった感じでした。
 私の手元にまだ中を確認していない上阿古屋産の飼育ケースが二つあり,それはしばらく私が管理して,幼虫を拾い出そうと思っていますってか,この分だとあまり期待できなさそうなのですが……。

令和4年3月13日 日曜日
 妻がとんでもないものを見つけました!!何と2年前に脱走した雌のオオクワガタの遺体!!我が家の庭のどこかでひっそりと暮らしていたようです。ちなみに成虫になって4年以上生きた計算になります。
 成虫になってから2年ほどして,卵を全く産まなくなった後,決死の覚悟で脱走したクワガタちゃんでした。それが玄関先に転がっていたと。野良猫かカラスがどこかから運んできて転がしておいたのかどうか。いやぁびっくりでした。

9月17日 金曜日
 今年も悩みの種カムバック!!みたいな。今のところ産卵木をかじり始めたのは岡山県津山市産の一頭のみ。それも産卵しているかどうか確証はないし……。
 秋に卵や初齢幼虫を掘り出す形のワークショップは,かなり難しいです。多分
7月とかの方がハードルは低いカモです。
 ところで,去年のワークショップで掘り出した幼虫の余品で,子どもたちの飼育中の幼虫が途中で★になってしまった時の予備として飼育していたものを,昨日
確認しました。あっちゃぁ……。いやはやオオクワガタの幼虫は,ヘラクレスヘラクレスの幼虫に比べてずいぶんとデリケートな感じです。累代を繰り返しすぎて遺伝子が弱くなっているのでしょうか……。9本中2本あけてみたのですが,溶けちゃったらしいです。うぅん……,厳チイ!!

9月3日 金曜日
 今年はもう,小学生を対象とした『オオクワガタを卵から育てよう』のワークショップは中止にしようと思っていたのですが……。
 こういう時代だからこそ??お出かけできない子供たちが多かったためでしょうか……。強い開催要請があり,急きょ慌ててペアリングをしました。
 岡山県津山市産1ペア,福岡県久留米市産2ペアな感じです。うまいこと産卵してくれることを祈っています。

6月3日 木曜日
 学校の物置部屋で育てていた福岡産幼虫4頭と,能勢YG血統幼虫3頭のボトル交換を行いました。こちら7頭は,秋に「オオクワガタを卵から育てよう」のワークショップで小学生たちが掘り出した余品を私が加温なしで育てていました。当然今まではフレーク飼育。でもここからはFこんさんの菌床ボトル1.1gに投入してみました。さて,どうなることやら。うまく育ってくれればよいのですが……。
 菌床飼育というのは,うまくいくときはうまくいくけれど,うまくいかない時はうまくいかない……そして,どういう加減か,うまくいかないことがかなり多いような気がしています。なぁんでか……。いろいろ調べたり試したりしてみます。

5月31日 月曜日
 某Fこん出身の能勢産の幼虫(雄雌1頭ずつ計2頭)のボトル交換を行いました。菌床飼育で,わがパソコン部屋のヘラクレスヘラクレスの幼虫飼育スペースで一緒に育てていたのですが……。
 あっちゃかちゃぁ……2月から加温飼育をしていたのにもかかわらず,何と雄雌ともにほとんど育たないままに蛹室を作ってそこでウネウネしておりました。雌なんてこれ,ひどいもんです。多分成虫になった時の体調は25粍とかじゃぁないでしょうか。空いた口がふさがらないってやつです。

4月5日 月曜日
 我が家のクワガタ諸君,もぞもぞと活動を始めました。ただいま一生懸命ゼリーにかぶりついている状況です。このところ2年間ほど,オオクワガタを卵から育てようのワークショップで,うまいこと卵や幼虫が確保できなかったり,育ちが思わしくなかったりと,苦戦続きでした。
 いっそのこと今年はもうワークショップをやめちゃおうかと思っていたのですが,いやいや,このゼリーの食べっぷりなら思い切って5月にペアリングして6月にワークショップ……などという考えが頭の中をよぎり始めました。

令和3年3月8日 月曜日
 一昨日,オオクワガタを卵から育てようのワークショップを開催しました。まぁ何とか参加者の児童が育てていた幼虫は,生きておりました。私が予備として育てていた幼虫も,生きてはおりましたが……ほとんど成長しておりませんでした。丸まった状態でパチンコ玉くらいの大きさしかない……。まぁあきらめずにぼちぼち育てていきます。

12月7日 月曜日
 先週の金曜日,オオクワガタを卵から育てようワークショップで,私が予備として預かっている幼虫の成長度合いを確認しました。いやぁ,状況はヤバイ!!
ピンチ!!ってやつでした。何でしょ…。エサのマットの質が悪いのか……。ほとんど育っていませんでした。
 子どもたちも全て同じ,オオクワガタ用発酵マットで育てていますが,この分だと子供たちのもっていった幼虫だけうまく育っているなんてことはあり得ません。
 こりゃぁしゃぁないです。他社産の若干グレードの高いマットに変更して,飼育を継続することにしました。
10月29日 木曜日
 先週の土曜日,令和2年度,『オオクワガタを卵から育てて観察しよう』のワークショップを 無事終えました。7名のお子様とその保護者が,卵が産み付けられた朽ち木をマイナスドライバーとトンカチを使って,幼虫を割り出しました。
 福岡県久留米市産の幼虫が21頭,大阪府能勢町産の幼虫が13頭見つかりました。みんなで手分けして育てていきます。
10月9日 金曜日
 産卵セットに入れて飼育していたオオクワガタのメスが,突如逃走しました。秋ですから,夏ほどの大きなケースでなく,コバエシャッターの小サイズに,ものすごく太い産卵木を入れて,その中で産卵させていたのですが,水曜日に確認すると,何と上蓋が外れていました。もちろん月曜日くらいにはエサの交換をしており,その時点で蓋はしめています。ところが蓋の両脇の爪がパチンと音を立てるのは確認しませんでした。まぁ大丈夫だろう……と。油断していました。3年に一度くらい油断して大慌てな結果となるのですが……。
 蓋と産卵木との間の空間は,かなり狭いことになっており,その空間に無理やりとメス成虫が押し入ってふんばれば,蓋が外れないこともない状況でしたが,まさかのまさかでした。
 水曜日は手探りとホウキ探りで1時間,捜索したのですが見つかりませんでした。そして今日。呆気なく私に捕獲されました。外に出てみたはいいが,エサがなくて喉もかわいて,自分から捕獲されるために戻ってきました。
 さぁて今日はどこを探そうか……。そう思って耳を澄ますと……。パチンパチンとお派手な音がします。そこへ手をやると,呆気なく逃走中のメス発見。何かをかじっている音ではなく,飼育ケースの並んでいる床に仰向けになって,足と足を指パッチンみたいにして音を出していました。ですからそこへ恐る恐る手をもっていくと,いきなり手にしがみついてきました。そして素早く前足を縮め,後ろ足を伸ばしたかと思ったら,私の指の付け根に思い切り食いつこうとしました。
 過去にも逃走したクワガタ君を同じように確保したことがあります。その時は,生きるために自分から飼い主に発見されるような行動を取るなんてことがあり得るだろうか……と思っていましたが,同じようなことが2度,3度とあると,生きるために発見される選択をしているのだろうと考えるのが妥当なような気がしてきました。本当はどうなんでしょ……。
9月18日 金曜日
 諸事情により,今年のオオクワガタを卵から育てようの観察教室は,10月24日に延期となりました。本当,忙しすぎるって,ろくでもないです。多分今年は卵やら幼虫,育てきれないほど出てくるカモ……って,全然割り出してもらったり確認してもらったりしているわけではないのですが……。ここにきて産卵材から虹色のオーラが出てきた!!って気のせいかも。
9月7日 月曜日
 地球温暖化はかなりな勢いで進行している感じです。人間はエアコンを使って生きながらえているかもしれませんが,多分,自然界の多くの生命が,このところの暑さでやられているかと思うと,私たち人間は,早急に今後のことを考えなければいけないと痛感する今日この頃です。
8月24日 月曜日
 今度は上阿古谷血統の,今月初旬に羽化したオスが,ポックリ逝きました。こうしてみると,昆虫と言うものは,とてもデリケートです。羽化後,成熟するまではエサを食べないのですが,体がエサを受け入れる準備が整った瞬間に,エサがないとコロっと逝ってしまうようです。
 今年は羽化から体の準備が整うまでの期間が例年よりかなり短い気がしています。もしかすると昨年の異常気象が影響しているのかもしれません。結局,昨年の酷暑を耐え抜いた親が,産卵木を削りまくりながら,全く産卵していない感じなので,昨夏を越えて成虫になった個体は,できるだけ早く次の代に命を継ごうと,成熟が早まっているのかもしれません。
 現に羽化後1カ月たたないうちにエサを食べ始めた成虫がかなりの数存在しています。こうなってくると,オオクワガタ飼育は大変です。
 羽化後1週間以内に成虫を取り出してしまうと,死んでしまう確率がかなり高まり,1カ月以上経ってからの取り出しにもリスクが出てくる……。困った困った……。
8月19日 水曜日 事件!!
 6月羽化の,来年の種親に使おうと思っていた岡山県津山市血統のオスが,な,何と,ポックリ逝ってしまいました。11日に確認した時は,めちゃくちゃ元気だったのに……。万事休す……と思いきや,そういえば去年,クワガタ飼育教室に参加したS君が,お家の引っ越しで飼育が難しくなってしまったと言ってもってきた,幼虫飼育ボトルが1本あったのを思い出しました。岡山県津山市産血統。
 オスであってほしいと願いを込めて掘り出してみると……。
で,で,でたぁぁぁぁぁぁ!!お見事,72ミリの立派なオスでした。
 難を言えば,その親に使ったオスとは異なり,かなりスマートな体型でございました。ま,太くなる血も混ざっているんでしょうから,次回に期待と言うことで,新しい来年のオス親とすることにしました。
8月11日 火曜日
 世の中には不思議なことがたくさんあります。オオクワガタ君,卵をたくさん産んだと思ったら,育ったのが全部メスだったとか。その逆も然りです。
 去年,児童の保護者サマから国産カブトムシの幼虫を5頭いただきましたが,全部オスでした!!その逆に3年前,岐阜県羽島市産のオオクワガタ成虫ペアから育って羽化した成虫は,全部メスでした。どこかにお婿さんいないかなぁ……何て探しながら,結局見つからずに今日に至っております。成虫になって3度目の夏ですが,めちゃくちゃ元気です。交尾をしないと,寿命は確実に伸びるようです。それにしてもどこかにお婿さんいないかなぁ……。
8月4日 火曜日
 若干の経過報告をします。
7月終わり頃,自作菌床ボトルを作りました。といっても超手抜き製作です。
 まず空ボトルを準備し,菌床ブロック3.6リットル一つ400円を4つ,通販で取り寄せ,袋に入った菌床ブロックをそのままぐちゃぐちゃに踏みつぶしてボトルに詰めて放置しただけ……。だいたい800CC菌床ボトルが1本400円とか,ふざけた時代に,自作超手抜き菌床ボトルは超経済的です。
 手作りすれば1本あたり材料費送料も含めて150円でできます。また,出来栄えもなかなかな感じ?です。
 今年のクワガタ観察教室の準備状況ですが,今のところかなり順風満帆です。児童様に預けた岡山産は今のところ爆産モードに突入している模様です。私が面倒を見ている福岡県久留米市産のメスも,かなりな勢いで木産卵木を削りまくっています。これはひょっとするとひょっとします。
 ちなみに来年のクワガタ教室用の親も順調に確保できています。今年は参加してくれるお友達,どのくらいいるのかな??と楽しみにしています。
7月13日 月曜日
 今年度の中央小学校放課後クワガタ観察教室の開催が正式に決まりました!!
第一回目が9月5日。去年は見事ずっこけて,産卵木を割れども割れども幼虫が出てこないという状況でした。そして再度産卵セットを組んで,11月にリベンジを試み,どうにかこうにかみなさん,幼虫をおもち帰りになったという苦い経験がよみがえってきます。やっぱ全盲の私には難しい部分が多いのかなぁ……と,自信を失いかけて,はたと思いつきました。
「今までの3回の教室で,昆虫博士がたくさん育っているじゃァないか……。」
中には夏休みの理科の自由研究で,栃木県の理科展の優秀研究に選ばれた児童もいます。これはこれはおあつらえむきです。私が先生をやるよりも,今までの受講者が先生をやる方が,多分確実でしょう。
 ということでお願いをしたところ,優秀な女の子二人が,先生を引き受けてくれました。
 早速,今年の親に使う岡山県産のペアと,飼育資材をあずけたところ,毎日のように様子を報告に来るようになりました。
 ということで,いやはや今年は何だかうまくいきそうな予感がします。
6月29日 月曜日
 うっひょぉ〜,4カ月も更新をさぼってしまいました。
 さてさて最近は思い出したようにクワガタ君たちの世話をしております。
 通級指導教室の津山血統のクワガタ君たち,次々と成虫になっております。横幅が広くてオオアゴも太く,めちゃくちゃカッコいい感じです。
 それに対してチビ親久留米血統は……。ひょろ長軟弱成虫とあいなりました。メス何て超細身なくせに,オオアゴはひょろ長く,こんなのじゃぁ産卵木に穴を開けるなんて到底無理……みたいなのが出て来ました。
 もう一つの生存率が超低かった久留米血統は,何ザマショ,幼虫のまんま。さほど大きくも育っておりません。
 今年は中央小学校放課後子供教室が,全ての活動において全く動き始めないので,オオクワガタ飼育教室はどうなるのか,未知数です。それでも何かよい方法はないかと頭をひねる今日この頃です。
3月5日 水曜日
 昨晩,新しいキノコボトルが届きました。そこで今朝,菌床ボトルで育てていた幼虫たちの成長状況を確認しました。それがそれが……。産地でずいぶんと成長に差が出てしまいました。というかここまで差が出ると,産地は異なるとはいえ,もはや同じ種類の虫とは思えないほどです。
 その中で最も順調に育っているのが,中央小学校の通級指導教室の子供たちが何代もにわたって飼育し続けている,岡山県津山市出身の血統です。
 昨年はその他に福岡県久留米市の血統を2系統育てましたが,親が小さかった方の血統は,順調に全て生きているけれど,全然成長しておりません。
 もう一つの久留米血統は,菌床アレルギーでもあったのでしょうか……。何と生存率20%。しかも生き残っている幼虫も全然成長していないし……。ありゃりゃって感じです。
 それにしても長く幼虫を育ててくると,無駄の出ない菌床ボトルの買い方がうまくなります。今回は入れ替える前のボトルが15本だったのに対し,死んでしまう幼虫の数を見越して10本の新しいボトルを購入。生き残っていた幼虫は10頭。過不足なくどんぴしゃ……。
 岡山血統で1頭,20グラムを超えている特大期待の幼虫が居ます。大きくなってほしいものです。
3月2日 月曜日
 2月29日に予定されておりました,「オオクワガタを卵から育てよう!!」の観察会は,新型コロナウィルス対策のため,中止となりました。
 それどころでなく学校内はばたばたとしており,今後についてはやむを得ず,私が新しいオガクズを詰めたボトルを準備して,それを各御家庭にもちかえっていただいて,観察してもらう形を取らざるを得ません。
 あぁあぁ,子供たちと保護者が楽しみながらやってしまえばさほど大変でない作業を,私が一人でやるとなると,大変です。本当,一刻もはやくコロナウィルスの脅威が消えてくれることを願います。
1月30日 木曜日
 そろそろキノコボトルで育てている幼虫君たちを,新しいボトルに入れる時期が来ました。そこで,菌床ボトルと,クワガタ用幼虫マットをyahooショッピングで注文しました。インターネットショップは,キャッシュレス消費者還元5%事業の対象店が多く,その恩恵を実感しています。昨年より調達コストはかなり下がっていると思います。それはさておき,荷物の到着は2月3日。幼虫君たちがどんな成長をしているか楽しみです。
1月10日 金曜日
 今年は温暖化が顕著です。オオクワガタ成虫は冬場は温度管理を全くしない状態で越冬させています。例年2月は2日に日は夜間,氷点下になるような環境に放置して,3週間に1回くらい,中を確認するような感じです。
 まだ1月ですが,多分今年は1回も,夜,氷点下になっておりません。従って2週間に1度の確認の際,成虫を手の上にのせるとすぐに動き出します。夜間氷点下になる環境では,手に乗せてから10分以上経過しないと,動き出しません。
 ところで昆虫と言えども体内には血液が流れており,多分その循環が完全に止まってしまえば★になってしまうのだと思います。でも日本のオオクワガタは,氷点下になっても実際には★にはなりません。ヘラクレスヘラクレスや熱帯のクワガタムシは一発で★ですが……。
 幼虫も同じで,日本のオオクワガタ幼虫は氷点下10度くらいまでは,体が何となく柔らかい感じです。それに引き換えヘラクレスヘラクレス幼虫は★になってそのままカチンコチンに凍ってしまいますが……。
 多分日本のオオクワガタは,寒くなると体液の性質を変化させて,凍らないように自己防衛できる機能をもっているのだと思います。ただし体液の性質を変化させるのにはかなり時間がかかるのかもしれません。
 明らかに今年の宇都宮飼育の日本産オオクワガタ成虫は,今の段階で体液を凍らないようにするための防衛をしていません。よって手の上に乗せるとすぐに歩き出します。
 ということで地球温暖化に何らかの対策をみんなで講じないとやばいんじゃないかって,感じております。
令和2年1月6日 月曜日
 菌床投入から2カ月が経過しました。今年は簡易音質の温度管理システムの,温度を制御する機構を見直しました。おかげで簡易音質の中に置かれている音声温度計は,いつ確認しても20度から22度で安定しています。ということでこの環境でどこまで伸ばせるか,俄然楽しみになってまいりました。
 とりあえず2月上旬までこのまま飼い続け,その時点で新しい菌床に投入するつもりです。
 生後約4カ月時点で,オスで15グラムを超えてきたら,大型化に向けて期待大です。さてどうなることでしょう……。
11月5日 火曜日
 先月26日のクワガタ飼育教室で出て来た,子供たちが連れ帰れなかった分の幼虫を,ヒラタケ菌床ボトルに入れ,音楽室のとなりのとなりの学習室に設置した,私の手作り簡易音質にいれました。それにしても誰がこの大量の幼虫君を育てるんだい??って感じです。結局育て方がいまいち上手でないが故に,生存率はよろしくないのですが,小さくとも命ですから精一杯大切に育てます。
10月26日 土曜日
 今日は猛烈に忙しい一日でした。朝9時から12時まで,放課後かるた教室で子供たちと百人一首をして遊び,1時から2時半までオオクワガタ観察教室(9月7日の卵出てこなかった事件のリベンジ)でした。その後,夜遅くまでオペラの練習。翌日は宇都宮百人一首市民大会の引率……。忙しすぎてどうしまちょ……って感じです。
 そしてそして。今回の卵と幼虫の掘り出し結果は……。おぉ〜い!!おぉ〜い!!ちょっとこれ,誰が育てんのぉ?????
 最初は子供たちの歓声に胸をなでおろしたのですが,絶え間ない歓声があちらこちらから上がり続けるうちに,徐々に憂鬱な気分に……。はいはい,小さくても命です。私が育てます……ってなことになりました。
10月21日 月曜日
 昨日は宇都宮大学峰キャンパスを会場に行った,栃木理科教育研究会主催の『科学お楽しみ広場』で,『オオクワガタを幼虫から育てよう』のブースを担当させていただきました。
 配布用に準備した幼虫は26頭……のはず。理科好きの子供たちが育てるとはいえ,できるだけ手をかけずに育てられるようにしておかないと,多分成虫まで育てられません。少なくとも飼育ボトルのオガクズを交換しなくとも成虫まで育てられるようにしておかなければなりません。
 そこで,6月から8月に割り出して,私が育てた幼虫を提供することにしました。
 前日に新しいエサのオガクズを26本,ボトル詰めにし,それを超大型リュックに詰め込み,さらに今まで飼育して来た幼虫の入ったボトルも26本,別のリュックに詰め込み,タクシーで会場入りしました。
 会場で希望者に幼虫の入ったボトルを渡し,大きなプラスチックのバットの上に中身をあけさせ,幼虫を新しいエサの入ったボトルに入れて,説明書と共に連れ帰っていただきました。
 きちんとした環境で育てたわりに,26頭中6頭が死亡しており,配布できたのは20頭でした。
 あらためて幼虫飼育の難しさを痛感させられたわけですが,これ,お給料をいただいている教員だからこんなことやってられるんであって,これを売って生計を立てるなんて,絶対無理……そうつくづく感じさせられた一日となりました。
10月9日 水曜日
 10月26日実施の「オオクワガタを卵から育てよう!」の追加実施のために,温度管理をして産卵セットに入っているメス親は,現在4頭います。しかしピンチな状況が続いており,4頭とも産卵木をかじり始めません。困ったもんです。
 今までの経験から言えば,ほとんどかじってない木に産卵してあることもごく希にあるのですが,そういうケースは秋に限ってはほとんどないと考えられます。
 困ったなあと思っていたら,ある教室に預けてあった岡山産のメスに,9月初旬にオスをつがわせてあったのですが,それが産卵木をバキバキとかじり始めたとのこと。これは……と思い,そのケースを預かって中を確認すると……。
 あっちゃかちゃぁ,めちゃくちゃかたかった産卵木が,原型をとどめないほどに木っ端みじん……。卵は産んだかもしれないけど,そこから孵った幼虫を,親のメスが食べちゃった系??ありゃりゃ……。
9月26日 木曜日
 うわちょ!!オオクワガタを卵から育てようの追加実施まで,あと1カ月。4月羽化のメス成虫2頭,オスとの同居を終えて,卵を産み始めたはず……。が,産卵材をかじり始めません。うわぁ……しくじったかぁ??今年の夏の暑さをナメていて,2頭のメス親?それともオス親が,交尾できるだけの体力を残していなかったかぁ??それとも朝晩が涼しくなりすぎていて,それ故産卵しないのかぁ??
 ということで,簡易温室を使って,常に気温30度状態の飼育環境を作り,あと1カ月,悪あがきをします。それにしてもあぁ難しい!めちゃくちゃ難しいです。クワガタを繁殖させて販売して,生計を立てている方々,それで生計が成り立っている方々は,神的存在です。私は小学生相手に楽しみながらやっているからできますが,こんな不安定な生き物に生活はかけられません。それはさておき,産んでくれ!!と祈ることしかできません。
9月9日 月曜日
 おとといの土曜日に,3年目の「オオクワガタを卵から育てよう!!」というワークショップの今年度第一回を開催しました。
 と……ところがです。何と小学生8名と大人6名,合わせて14名で木をくずし…くずし…くずし…。
 出て来た幼虫は全部でたった7匹。今年は出過ぎて困るかと思っていたので,この結果にみんなでずっこけてしまいました。
 ま,そういう年もあります。仕方がありません。今年4月くらいに成虫になったメスが2頭いるので,本当は来年の親にと考えておりましたが,急きょ今年の親になっていただき,10月26日の土曜日掘り出しの予定で,再セットすることにしました。
 生き物の世界は,本当に厳しいですってか,人間の思い通りにはいきません。昨年は,岐阜県羽島市産のオオクワガタを親に使いましたが,その親から生まれた子供はメス,メス,メス,メス,メス……。結局全部メス。どうしてそうなっちゃったかなぁって感じでした。
 一つ言えることは,オスよりメスの方が生命力が強いらしい……みたいな。他の産地のクワガタも,オス2割,メス8割って感じでしたが……。多分,条件によって生まれてくる雌雄の割合は,変化するのだと思います。
 誰かさまざまな条件下での飼育による,雌雄の出現割合の変化について,研究しようなんて小学生,現れないかなぁ……。そんなことをぼんやりと考えております。
8月29日 木曜日
 小学1年生が,理科室の廊下の端にならんだオオクワガタの幼虫入りボトルに耳を当てて,
「先生,この中にハムスター飼ってるの?」
と。
「そんなの飼ってないよ!!どうしてそう思ったの?」
と応じると,
「中からすごい勢いでガリガリガリガリって音してる!!」
と言います。私はにんまりしながら,
「後で生活科の時間にでも,どうして音がするのか,何が音を出しているのか,調べてみようねぇ」
と言いました。子供たちは,ボトルの中にクワガタ幼虫が入っていることを知っているはずです。でも,クワガタ幼虫がそんな音を出すなんて,夢にも思わないらしい。クワガタ幼虫がいきなり侵入してきたハムスターに食べられちゃっているかも……。みたいな発想なのかもしれません。きっちりフタをしてあるボトルのどこからハムスターは侵入するのかな??みたいな感じです。
8月23日 金曜日
 9月7日に,中央小学校放課後子ども教室にて「オオクワガタを卵から育てよう!!」第三弾がスタートします。
 ところでこの企画の大前提は,オオクワガタに卵を産ませること。それがなかなか難しいのです。
 まずはオス親とメス親がうまいこと交尾し,メスが卵を産むことが大前提で,その大前提がうまくいかないと,企画はぽしゃってしまいます。
 そこでこっそり,卵を産んだであろうと思われる木を割って,中を確認しました。南沢が一人で。さすがに指先で木屑の中から卵を発見するのは不可能です。ですから産卵を終えた木を一ヶ月放置した後,それを割っているという感じです。
 全盲者がこの作業をする手順は,見えている人のやり方とはずいぶん異なります。全盲者は作業時に大きなタッパーを二つ準備します。
 次にタッパーAの上で木をバラバラにしていきます。その際,タッパーAには超細かい木屑のみ落とし,大き目のクズはタッパーBに入れていきます。
 卵からかえった幼虫は,木の中を食い進みます。そしてその跡は,超細かいフンが詰まった状態となります。幼虫はフンの詰まった道の一番先にいるのですが,全盲者には道があることは分かっても,どこがその道の一番先かわかりません。ですから道に詰まったフンと幼虫を一緒にタッパーAに落とし込み,後はタッパーBへ入れていく,というわけです。
 次に手のひらの上に,フンと幼虫が混ざったものをのせ,指と指との感覚を開けないようにして,手の力を抜いて,左右に軽く振っていくと,手の中に幼虫が残るという寸法です。見えている人に比べれば,ずいぶん効率も悪いし,時間もかかるし,面倒くさいですが,できなくはないって感じです。
 今日はトータル5頭の,小さな小さな幼虫をゲットしました。産んでいる数は少なめです。参加者全員にわたるだけの幼虫が出てくるのだろうか……。新たな段階の不安が湧き上がってまいりました。