〔テーマ〕
夏場のキューリ栽培における寒冷紗の効果的な使い方に関する研究

〔準備するもの(主なもの)〕
・キューリの苗3株(節なり性ではなく蔓なり性がよい)
・支柱 長さ210センチ,太さ20mm 21本
・寒冷紗(白) 幅180cm×長さ5m 遮光率22% 3枚

〔研究の方法〕
@7月上旬,3つの株を,お互いに距離を離して陽当たりのよい場所に植え付けます。その際,陽の当たり方やその他諸々の条件に差が出ないようにします。
A3つの株(仮にA,B,Cの3株とします)それぞれに,あらかじめ設定した条件で寒冷紗の着脱を行い,それぞれの株についてその後の生育や収量の変化を記録していきます。
※寒冷紗は朝,冠水後,午前7時に設置し,午後6時に取り外します。
※寒冷紗の着脱条件は以下の通りとします。
A……天気予報で最高気温が30度を超える予想が出ている日に設置する。
B……天気予報で「晴れ」という単語が入った予想が出ている日に設置する。
C……常に設置し続ける。

〔予想〕
・8月上旬まではBが最も株の成長が顕著で,収量も多いのではないか。
・8月上旬まではAもBには及ばないが,それなりに成長するのではないか。
・8月下旬まで,晴天率が高ければ,CもBの4分の3くらいの収量を確保できるのではないか。
・8月最終日の株の生育状況を比較すると,Bは大きくなっているが,一番葉っぱの傷み具合が激しいのではないか。逆にCの葉っぱの傷み具合はさほどひどい状態ではないのではないか。一番よい状態なのはAの株ではないか。

 さてさて,ここから先は何故こんな実験を思いついたかについて説明します。
 今年私は8年ぶりにキューリ栽培をしました。久しぶりの栽培と言うこともあって,いろいろと忘れていたことがあり,その一つが寒冷紗の設置でした。
 今年,私は8月11日に初めて寒冷紗を設置したのですが,その時点では既に強い日差しで多くの葉っぱがダメージを受けていました。それでも8月20日頃まではそれまで蓄えた力のおかげでしょうか,それなりに収量が確保でき,一番多く実をつけた株の累計収穫数は70本を超えました。
 ところが部分的にダメージを受けていた葉っぱの傷みが徐々にひどくなり,それに連れて収量がかなり減ってきました。そこで,株の勢いを回復させるため,根本から数えて15節目辺りまでの葉を全て切り落とし,蔓下ろしを行いました。
 蔓下ろしとは,支柱に沿って伸ばした蔓の高い位置にある先端を,低い位置に縛り直す作業です。その際,葉っぱを取った後の,はだかの蔓は,根本に近い位置に,ホースを巻く感じに束ねます。
 実際には高い位置にあった先端は,実をたくさん成らせるために切り落としてあるのですが,だいたいその近くには,しっかりした脇芽が一つあります。今度はその脇芽を地面から2メートルくらいの高さまで育て,再び成長店を止めます。
 キューリは支柱が長ければ長いほど,4メートルでも5メートルでも上に向かって成長していきます。しかし,地球の引力にはかないません。ということで,キューリだけでなくてトマトもなのですが,蔓下ろしをしないと,実のつきが悪くなるのです。
 多くのプロの農家さんたちは,キューリが蔓下ろししなければいけない状況になったら,もう株を引っこ抜いて新しい苗を植えます。その方が遥かに収量が増えます。というか蔓下ろしをしなければいけない状況になるまでに200本くらい収穫しているのですが……。
 まあ,今年の私のキューリ栽培は,想定外の葉っぱのダメージの大きさのために,半分失敗という状況にあるのですが,それでもここから盛り返せる部分は取り返したいと思うわけです。同時に,葉っぱへのダメージを最小限に抑える方法も見つけていきたいと思うわけです。
 ということで寒冷紗を使った葉っぱへのダメージの軽減についての研究を思いついた次第です。さほど難易度の高い研究ではありませんので,是非挑戦してみてください。

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